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教育


 現在、日本の教育は重大な岐路に立たされている。ゆとり教育の功罪が叫ばれる中、昨年から順次新たな学習指導要領の導入が始まり、教育現場において大きな変化が生まれ始めている。例えば「英語」の例を取り上げてみよう。新たな指導要領において、英語の授業は英語で行うように記されている。これは一見素晴らしいことであると思われる。しかしながら、教師側の英語力の差による授業の質への影響であったり、授業が英語で行われることによる生徒たちの戸惑いや、授業への態度、授業の理解、学習活動にも差が生まれてしまう可能性があり、多くの課題も存在する。

また、家庭や社会の抱える様々な問題も依然として教育に対して大きな影響を与えており、学校のような限られた空間だけでなく、家庭や地域といった広いコミュニティにおける教育への関心を高めていくことが必要である。

ただ、教育を取り巻く問題は短期間での成果が見えにくく、中長期的な展望を持つ事も重要である。その場の状況に突き動かされ尚早な対応策を講じている限り、本当にその社会に必要とされる適切な教育の本質を見出す事は不可能である。教育問題は、周辺環境の変化に伴う方針の転換と理念に基づく一貫性を持ったアプローチの間で、常に葛藤している。このような事実を踏まえ、日本の教育は新たな指導方針を提案していくとともに、社会の変化にも適応していく必要がある。

はたして日本の教育は新たな学習指導要領を実施していくとともに、社会の変化にも適応していくことができるのだろうか。本分科会では、これらの問題について多面的に考え、教育の在り方について議論していく。

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